2026/11/06 09:00

火葬のあとに受け取った書類のなかに、「埋葬許可証」(自治体によっては「火葬許可証」「埋・火葬許可証」)があります。遺骨を自宅で手元供養するなら、この書類は必要なのか。どこに置いておけばよいのか。なくしたらどうなるのか。この記事では、墓地、埋葬等に関する法律と自治体の公式な案内をもとに、手元供養と埋葬許可証の関係を整理します。

1. 結論:手元供養のあいだ提出する場面は通常ありませんが、原本は大切に保管します

自宅で手元供養をしている間は、埋葬許可証を役所や墓地に出す場面は通常ありません。ただし、のちに納骨・分骨・改葬をするときに必要になることがあり、自治体によっては再交付ができない場合もあります(出典:広島市「墓地への納骨や改葬、分骨の手続き」)。そのため、原本はなくさないよう保管しておくのが安心です。

2. 埋葬許可証とは:火葬許可証と同じ書類を指すことが多く、呼び名は自治体で異なります

墓地、埋葬等に関する法律では、埋葬・火葬・改葬を行うには市町村長の許可が必要とされ(第5条)、市町村長は許可を与えるときに埋葬許可証・改葬許可証・火葬許可証を交付しなければならないと定められています(第8条)(出典:墓地、埋葬等に関する法律 第5条・第8条)。一般的な解説では、死亡届の提出後に交付された火葬許可証に、火葬場で火葬済みの印が押されたものを「埋葬許可証」と呼ぶことが多いとされています(出典:相続ガイド「埋葬許可証」)。

書類の名前は自治体で異なります。たとえば広島市の案内では、納骨時に必要な書類は「死体火葬許可証」と書かれ、名古屋市の案内では「埋・火葬許可証」と書かれています(出典:広島市、名古屋市の各公式案内)。「埋葬許可証」という文字が見当たらなくても、火葬後に火葬場で受け取った書類がこれにあたる場合があります。

3. どんなときに必要?納骨・分骨・改葬・散骨の場面

必要になるのは、遺骨を墓地や納骨堂などに納めるときです。法律では、墓地の管理者は埋葬許可証・改葬許可証・火葬許可証を受理した後でなければ、埋葬や焼骨の埋蔵をさせてはならないとされています(出典:墓地、埋葬等に関する法律 第14条第1項)。納骨堂の管理者も、火葬許可証または改葬許可証を受理した後でなければ焼骨を収蔵できません(第14条第2項)。

  • 納骨するとき:墓地・霊園・納骨堂の管理者に提出します。
  • 分骨するとき:分骨先ごとに書類が必要になる場合があります。火葬時に分骨を伝えておくと、必要な分を発行してもらえることが多いとされています(出典:相続ガイド「埋葬許可証」)。詳しくは分骨とは?手元供養のための分骨証明書と手続きを解説をご覧ください。
  • お墓から移すとき:改葬許可の手続きが別に必要です。流れは墓じまい・改葬のとき、遺骨の一部を手元に残せる?で解説しています。
  • 散骨を依頼するとき:散骨業者が身元確認の書類として提出を求めることがあるとされています(出典:相続ガイド「埋葬許可証」)。

4. 手元供養のあいだの保管のしかた:コピーを取り、原本は家族が分かる場所に

手元供養を続けている間は提出先がなく、当面は使いませんが、将来の埋葬・分骨・散骨に備えて自宅で保管しておくよう案内する解説があります(出典:相続ガイド「埋葬許可証」)。納骨で使えるのは原本のみで、コピーは使えないとされているため、原本をなくさない工夫が大切です(出典:同)。次のような方法が考えられます。

  • 原本は、クリアファイルや封筒に入れて、湿気や日光の当たらない場所にまとめる
  • コピーやスマートフォンでの撮影を別に残しておく(控えがあると、再交付の相談のときに役立つことがあります)
  • どこに置いたかを、家族の誰かが分かるようにしておく(遺骨の管理についての話し合いと合わせて:手元供養を始める前に|遺骨はだれが管理する?)

5. なくしたとき:再発行・再交付の可否は自治体で異なります

紛失したときの扱いは、自治体によって異なります。公式の案内から、2つの例を挙げます。

自治体案内の内容
大阪市北区申請により再発行できる。発行は死亡届を提出した区役所でのみ。申請書、本人確認書類、死亡した方との続柄と死亡日が分かる書類(戸籍謄本)が必要で、手数料は無料。死亡日から5年以上経過している場合は、火葬場で取得する「火葬証明書」が別に必要。
広島市「再交付はできません」と案内。紛失した場合は、火葬を行った火葬場で「火葬証明書」(手数料350円)を受け取り、代わりの書類とする。事前に火葬場へ電話で確認する。

(出典:大阪市北区「火葬許可証の再発行について」、広島市「墓地への納骨や改葬、分骨の手続き」。ほかの自治体では異なる場合があります。名古屋市の案内では、再交付は各区役所の市民課・区民生活課への問い合わせとされています。)

まずは、死亡届を出した市区町村の窓口と、火葬を行った火葬場のどちらに相談すればよいかを電話で確認するのが近道です。

6. 分骨を考えているなら:火葬時の申し出と「分骨証明書」

これから火葬を迎える場合は、分骨の予定を火葬場の窓口で申し出ると、分骨証明書の交付を受けられます(出典:広島市「墓地への納骨や改葬、分骨の手続き」)。すでに墓地などに納められている遺骨を分骨する場合は、その管理者から分骨証明書(または埋蔵証明書・収蔵証明書)を受け取り、分骨先に遺骨とともに提出します(出典:同)。

ZAYUのミニ骨壺は、全骨ではなく、分骨や手元供養に向けた小さな器です。中壺は約67mm×32mm、容量は約20cc(大さじ一杯強が目安)。商品一覧から、六角(YUKI)・丸(MADOKA)・四角(YOMO)の形をご覧いただけます。置き場所や飾り方はこちらの記事でまとめています。

7. 書類の話は、早めに家族と共有しておくと安心です

許可証は、遺骨と同じように、いざというときに家族が探すことになる書類です。手元供養を始めたら、骨壺の置き場所とあわせて、書類の保管場所も一言伝えておくと、のちの納骨や分骨で慌てずにすみます。遺骨を自宅にいつまで置けるかは遺骨を自宅に置いておけるのはいつまで?で解説しています。

8. よくある質問

Q. 手元供養だけなら、埋葬許可証は不要ですか?
A. 自宅で手元供養をしている間は、提出する場面は通常ありません。ただし、のちに納骨・分骨・散骨をするときに必要になることがあるため、原本は保管しておくと安心です(出典:相続ガイド「埋葬許可証」)。

Q. 納骨まで何日以内、といった期限はありますか?
A. 一般的な解説では、法律上の納骨期限はないとされています(出典:相続ガイド「埋葬許可証」)。家族や寺院と相談して決めます。

Q. コピーでも納骨できますか?
A. 一般的な解説では、埋葬時に使えるのは原本のみとされています(出典:同)。墓地・霊園によっては追加書類を求められることもあるため、納骨先の管理者に事前に確認してください。

Q. 火葬から5年以上たっていますが、再発行できますか?
A. 大阪市北区の案内では、死亡日から5年以上経過している場合は、火葬場で火葬証明書を取得したうえで申請します(出典:大阪市北区)。広島市のように再交付をしない自治体もあるため、まず窓口で確認してください。

9. まとめ

  • 手元供養のあいだ、許可証を提出する場面は通常ないが、納骨・分骨・散骨などで必要になることがある
  • 書類の名前は自治体で異なり、「埋葬許可証」と書かれていない場合もある
  • 納骨で使えるのは原本。コピーや写真を控えとして残し、原本は家族が分かる場所に保管する
  • 紛失時の扱いは自治体で異なる。窓口と火葬場に早めに相談する

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出典・参考資料

本記事の法令・制度の説明は、次の資料をもとにしています。(最終確認日:2026年11月2日)

  • 墓地、埋葬等に関する法律(第5条・第8条・第14条):e-Gov法令検索
  • 大阪市北区「火葬許可証の再発行について」(ページ表示日:2026年6月22日):大阪市公式サイト。再発行の対象・必要書類・手数料・火葬証明書
  • 広島市「墓地への納骨や改葬、分骨の手続き」(2026年2月24日更新):広島市公式サイト。死体火葬許可証、再交付、火葬証明書、分骨証明書
  • 名古屋市「埋火葬許可の手続方法について知りたい」(2024年9月16日更新):名古屋おしえてダイヤル。埋・火葬許可証の呼び名と再交付の問い合わせ先
  • 一般的な解説:相続ガイド「埋葬許可証」(ht-tax.or.jp)。火葬許可証と埋葬許可証の関係、原本の扱い、手元供養・散骨・分骨の場合の保管

※手続きの名称・窓口・費用は自治体や墓地・霊園により異なります。上記は大阪市北区・広島市・名古屋市の案内で、他の自治体では異なる場合があります。

※この記事は一般的な情報をまとめたものです。手続きの扱いは、自治体や墓地・霊園、お寺により異なります。個別の事情については、それぞれの窓口や専門家にご確認ください。

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